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Vision Framework で水平角検出(傾き) Horizon Detection

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koze.hatenablog.jp

Horizon Detection

Vision Framework を使って傾き検出と得られた結果から表示の補正を行う。
カメラロールの中に程良く傾いた景色の画像があったのでそれを使う。まず何も処理を入れず普通に UIImage を作成して UIImageView に配置する。

f:id:Koze:20170608035929p:plain

実装

Horizon Detection with Vision Framework

まず VNImageRequestHandler を作成。
今回は UIImage 経由で CGImageRef から作成している。
次に VNDetectHorizonRequest 作成しハンドラを設定してリクエストを実行する。

うまく傾きを検出できると request.resultsVNHorizonObservationが入ってくる。
VNHorizonObservation の持つプロパティは以下2つ

@property (readonly, nonatomic, assign) CGAffineTransform transform;
@property (readonly, nonatomic, assign) CGFloat angle;

ドキュメントにもヘッダにも何も書かれていないけど、angle は検出された傾きだろうという事が分かる。ちなみにこの値は radian になっている。 この angle から以下の様に UIImageView を補正表示するための CGAffineTransform を作成する。

CGAffineTransform t = CGAffineTransformMakeRotation(-horizonObservation.angle);

これまで同様に座標系が逆になっているので結果の angle にマイナス値をかけて値を補正している。
この CGAffineTransformUIImageView に設定してやる。

実行結果

以下の様になる。

f:id:Koze:20170608040856p:plain

正しく傾きの補正が出来ている模様。
UIImageView の中心をずらさずに回転のみで補正した形になる。

コメントアウト部分にある様に

CGAffineTransformInvert(CGAffineTransformMakeRotation(horizonObservation.angle));

この様に値を補正してやっても同じ結果になる。

実行結果2

検出結果の VNHorizonObservation にもう1つプロパティがある。

@property (readonly, nonatomic, assign) CGAffineTransform transform;

これを使って UIImageView を変形してみる。
検出結果の座標系は逆になっているので先の例と同じ様に Invert で補正してやる。

CGAffineTransformInvert(horizonObservation.transform);

結果は以下

f:id:Koze:20170608041443p:plain

傾きの補正はOKっぽい。
ただ位置の変形がこれでいいのかどうか、、?
transform プロパティが何を表しているのか、どういった値が入ってくるのか現時点ではドキュメントも無いしWWDCのセッションもまだなので何かしら解説が出るのを待ってみたい。